日本の電車の歴史とイギリス

世界初の鉄道が開通したのはイギリスですので、電車の歴史においても最も早かったのではないかと思われるかもしれませんが、意外とそうでもありません。1804年にできた世界初の鉄道はもちろん蒸気機関車によるもので、電気によるものではありませんでしたから、電車が登場するのはもっと後のことです。

日本においても、現在でも鉄道が電化されていない区間はいくらでもありますから、決して電化されていない鉄道があまりにも実用に耐えないわけでは決してありません。それは当時世界の最先端を行っていたイギリスでも同じことで、鉄道建設の直後から蒸気機関車の限界が感じられて次々と電化が進められていったわけでは全くないのです。蒸気機関車でも十分に時速100kmを越えるような営業運転ができていました。

イギリスで初の電車が登場したのは、ロンドンのほぼ真南にあるブライトンという港町です。この町の中でわずか400mほどの区間で、電気で走行する鉄道が生まれたのが最初で、1883年のことでした。ですから蒸気機関車の誕生から既に80年近くもたっています。ちなみにこの鉄道そのものは今でも残っていて、訪れた観光客が当時の姿を偲ぶことができます。